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本■天を衝く(全3巻) [┗小説とか]


■出版社■講談社文庫
■作者■高橋 克彦(タカハシ カツヒコ)
■ジャンル■歴史小説
■やまる評価■★★★★★

高橋さんの東北歴史小説、『火怨』→『炎立つ』→『天をを衝く』という流れの大作の最終章です。

802年に蝦夷が平定され(一昨日紹介した『火怨』)、約400年後に奥州藤原氏が滅亡(昨日紹介した『炎立つ』)し、また約400年後の安土桃山時代のお話です。

室町幕府の滅亡(1573年;以後(15)涙(73)の足利義昭追放、と暗記しましょう)
とか
長篠の戦い(1575年;一発(1)粉々(575)長篠合戦、と暗記しましょう)
とか
本能寺の変(1582年;イチゴ(15)パンツ(82)の本能寺、と暗記しましょう)
とか
豊臣秀吉が全国を統一(1590年;戦国(159)終わり(0)よ秀吉ちゃん、と暗記しましょう)

こんなことが超有名で、歴史の授業だと、織田・豊臣・徳川ばっか習って、他の地域のことは全然教えてくれんかったっしょ?ってことで。

前々作『火怨』、前作『炎立つ』は、蔑まれて蹂躙されてしまった蝦夷のストーリーでした。

今回は、源氏の流れの九戸(くのへ)氏の話です。『火怨』のアテルイ達、『炎立つ』の阿部・藤原氏がいた陸奥、今は南部(なんぶ)氏が治めています。そんな南部家では内紛が続いており、内紛が収拾つかないまま戦国の動乱に巻き込まれていきます。

そんな中、南部家の一部の九戸党は...

九戸党の棟梁・九戸政実(まさざね)は、戦の天才であり、時代を先読みする才に恵まれていた。そんな政実のとった行動は...

あらかじめ言っておきますが、現存する文献上は、【九戸党は豊臣政権に反逆を企て、奥州仕置で滅亡した】となっています。九戸党は時代を読めなかった戦国武将の一人でしかないんだろうか...

前々作・前作と違って、合戦のシーンがけっこう多いです。

また、政実の頭脳の明晰さ・器のデカさに、惚れ惚れ同情もどかしさを感じます。決してイヤな感情は政実にはおこりません。ただ、自分のことばっかり考える人間、与えられることを待ってばかりの人間、自分の力で何もしようとしない人間、虎の威を借りてばっかの狐...自分の周りにもいる人間がこの小説にもウジャウジャいて、それが結局..ってことになっていくのが煮え切らないかも(苦笑)

でもやっぱカッコイイなぁ~

と思ってしまいます、『火怨』『炎立つ』も『天を衝く』も。

2巻がちょっと読むのに辛いかもですが、エンディングは爽やか・熱い・気持ちいいって感じです。少しウルウル・・・ってきますが。

陸奥シリーズ、読んで良かったなぁと思いました。源平、織田、豊臣、徳川、武田、上杉、真田、幕末など歴史小説は様々で、そっちの方がメジャーかもですが、ゼヒ!この陸奥シリーズも読んでください!ね♪


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